年金生活に+3万円の運用を目標に、利回り3%以上の銘柄をIRBANKのデータを活用し、「金の卵を産む鶏」を日々探しています。これまで長期実績について高配当銘柄を調査してきましたが、ここ最近のデータを、マネックス証券の銘柄スカウターで、深掘りして見ていきたいと思います。利回りも少し高いところを目指していきます。

花王の長期実績については、過去記事の花王を分析してみましょうをご覧ください。


データはクリック拡大してどうぞ。





日足チャート


2023-01-15 日足チャート


2022年1~9月期の2桁減益により大きく値を下げました。反発後また更に下落し、5,000円を割る勢いです。どこまで下がるのでしょうか。最安値を更新するかもです。ディフェンシブ銘柄とは言え、業績が悪ければやはり反応します。この状況で買い増しには強いメンタルが求められます。何よりもどこで買うのか、これが非常に難しい状況です。コロナ禍の6,000円弱の結構な高値で買った時から、長期保有と決めていたので、買い増しはしても売却は考えていません。コツコツ配当を得ながら値戻りを待ちます。それが可能な銘柄だと思います。

セグメント・海外構成


2023-01-15 セグメント


セグメント構成では、日常生活に必要な商品が主で、景気にはあまり左右されないと思いますが、業績が落ち込んでいる背景には、材料費の高騰はもちろんのこと、商品のランクを落としている消費者もいるのかもしれません。値上げ効果が現れるのは、もうしばらく先になることでしょう。


2023-01-15 海外構成


2023-01-15 海外売上比率


国内の売り上げが60%弱ということをどう見るかですが、国内一位ということを考えると、強みととれますが、人口が減少し続けている日本よりも、海外で売上を伸ばすことは、どの業界でも重要なこととです。じわじわと海外売り上げの比率は上がっていますが、今後に期待です。

業績予想・修正


2023-01-15 業績予想


2018年あたりから、予想と実績に開きが出始めています。景気に影響を受けないセグメントであり、予想と実績に大きな開きは出ないと思いがちですが、2020年からは、修正も追いつかない開きようです。原材料を輸入に頼り、生産拠点も海外に抱える日本にとって、現在の世界情勢は、先の読めない状況です。メイドインジャパンの経営陣の手腕がさらに求められます。

配当・株主還元




2023-01-15 配当履歴


連続増配中へのこだわりを、花王自体も強く持っているはずですが、陰りが見え始めています。



2023-01-15 配当実績


2021年末あたりが分岐点となり、株価は大きく下げて利回りが3%付近まで上がりました。2022年には再び交差するところまで株価は回復したのですが、業績の悪化から投資家は離れていったようです。
株価と利回りの相関なので、当たり前ではありますが、交差点となる株価は参考になりそうです。


2023-01-15 株主還元

自社株買いにも積極的に努めていますが、株価は反応しない状況で、配当性向も気になるレベルまで来ています。母体が強いことと、生活に密着したセクターであることから徐々に回復していくとは思いますが、時間がかかりそうです。

株価指標


2023-01-15 予想PER


2020年に株価と予想PERが逆転しています。予想PERということなので、

予想PER(株価収益率)=株価÷1株当たり当期純利益予想

ということになります。興味深いグラフですね。逆転してからの株価はそれまでの動きとは別物です。決算状況もありますが、不安要素からの先売り、予想修正の困難な状況もあると思います。

2023-01-15 実績PBR


こちらは実績PBRなので、綺麗に株価と連動しています。一般的には、かなり割高な推移をしていたことになりますが、過去の人気度を考えると、単純に割安、割高の判断はできないと思います。PBRもPER同様、同じセクターの株式と比べて割安か、割高かを判断することになりますが、このセクターではトップ企業なので比較対象を選ぶのも難しいですね。



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参考資料


PER:株価収益率

PER=時価総額÷純利益   PER=株価÷一株当たり利益

時価総額というのは企業規模を表す指標で、「株価×発行済み株式数」で求めることができます。
一般的に上場企業の場合、PERの値は「15倍」がひとつの水準とされています。
PERが小さいほうが、株価は割安ということになります。しかし、PERが高いということは投資家がその企業の成長性に期待をしているということでもあり、株式市場におけるその企業の評価の高さを表している側面でもあります。PERに着目するときは、同業種のほかの企業の数値と比較することも必要です。PERがマイナスになるのは、純利益がマイナス、つまり損失が出ていることが原因です。割安ということではありません。

PBR:株価純資産倍率

PBR(株価純資産倍率)=時価総額÷純資産
PBR(株価純資産倍率)=株価÷一株当たり純資産(BPS)

PBRは、企業の純資産から見た株価やM&Aの算定価格が割高なのか割安なのかをはかるものさし、いわゆる投資指標として使われます。PBRが1倍であれば解散価値と株価が同じ水準ということになります。低いほうが割安です。


ROE:自己資本利益率

ROE(%) = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
ROE = 当期純利益 / 売上高 × 売上高 / 総資産 × 総資産 / 自己資本

自己資本からどれだけ利益が出たのか、自己資本に限定した経営効率の程度が分かります。

ROA:総資産利益率

総資産を使ってどれだけの利益を生み出したかを示した指標です。

ROA:総資産を使ってどれだけの利益を生み出したかを示した指標
ROE:株主から集めた自己資本をもとにどれだけ儲けたかを示した指標

ということになります。
ROAは、自己資本だけでなく金融機関から借り入れた負債(他人資本)も含めた調達金額(総資産)をどの程度効率的に運用できたかを示す指標なので、株主目線ではなく「会社全体としての」投資効率を示す指標であると言えます。

財務指標として活用されるROE・ROAは、一般的に値が高いほど企業の評価も高いことになります。
逆に考えれば、ROEやROAの評価が低いと企業が十分に収益を上げていないと考えられ、企業価値の低下が予想されるということです。

EPS:1株当たりの当期純利益
EPS=当期純利益 ÷ 発行済株式総数
EPSは値が大きければ大きいほど企業の収益は高いことを示します。EPSを見ることで、当期の状況を把握することができます。また、その推移を見ることで会社の収益が好調であったかがわかり、今後の企業の成長見込みを判断する一つの材料になります。

皆さんおっしゃるように、投資は自己責任です。取り上げた銘柄も推奨するものではありません。
興味を持たれた方は、あらためて最新のデータをご自分で調査願います。



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