ふくおかフィナンシャルグループは「金の卵を産む鶏」なのでしょうか。

IRBANKのデータを活用し、分析してみましょう。
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企業概要


地銀ではトップクラスの業績です。各地で人口が減少している中、福岡は増加傾向のようです。このあたりも業績好調の要因かもしれません。

ここ数年の業績


2022-08-28 売上げ


2022-08-28売上2


気になるのは2017年の赤字ですが、熊本銀行と親和銀行の経営統合に伴って発生したのれんの残り948億円を一括償却したことによるもののようです。2017年3月期の連結最終損益は、予想の400億円の黒字から548億円の赤字に転じました。日銀のマイナス金利政策導入に伴う環境激変に対応して子銀行の株式評価を見直し、減損が必要になったため、10年分をまとめて償却し、将来の環境変化に対応する余力を確保したとのことです。許容力あっての決断なのでしょう。

ROE・ROA


2022-08-28 ROE


一般的に、ROEは10%以上、ROAは5%以上あれば良いと言われています。
金融業(銀行)のこれらの指標はかなり低めです。メガバンクもこんなものです。安定度を参考にすればと思います。

EPS・時価総額


2022-08-28 EPS2022-08-28 時価総額















2018年からのプラ転が素晴らしいですね。数年にわたり償却に追われることを考えると、2017年の即決は正解だったのでしょう。その後のEPSも素晴らしいですね。時価総額も順調に伸びています。

PER・PBRチャート


2022-08-28 PER2022-08-28 PBR















一般的に上場企業の場合、PERの値は「15倍」がひとつの水準とされています。
PBRは、割高なのか割安なのかをはかるものさし、いわゆる投資指標として使われます。
PBRが1倍であれば解散価値と株価が同じ水準ということになり、低いほうが割安です。
これらの指標は割安となっています。ただ、株価はコロナ禍でも上昇傾向です。


ここ数年の株価


2022-08-28 株価


もう少し早く視野に入っていれば買い入れ時だったかもしれません。今でも割安感はあるようですが、ポートフォリオの構成を考える上で、金融銘柄のメガバンクと地銀を分散する意味があるかどうかわかりませんが、地元で利用されている方は、優待も受けられますし、選択の余地はありそうです。

優待・配当


2022-08-28 配当



2017年の落ち込み後、2019年から3%越えの利回りとなり、その後は4%越えの利回りとなっています。配当性向もかなり余裕があるようです。株主優待の制度はありますが、銀行業務に関連した金利、手数料の優遇です。誰でも恩恵があるとは言えませんが、地銀ということで地元に密着した優待という新しい流れかもしれません。
配当権利確定月は、3月,9月です。

参考資料


PER:株価収益率

PER=時価総額÷純利益   PER=株価÷一株当たり利益

時価総額というのは企業規模を表す指標で、「株価×発行済み株式数」で求めることができます。
一般的に上場企業の場合、PERの値は「15倍」がひとつの水準とされています。
PERが小さいほうが、株価は割安ということになります。しかし、PERが高いということは投資家がその企業の成長性に期待をしているということでもあり、株式市場におけるその企業の評価の高さを表している側面でもあります。PERに着目するときは、同業種のほかの企業の数値と比較することも必要です。PERがマイナスになるのは、純利益がマイナス、つまり損失が出ていることが原因です。割安ということではありません。

PBR:株価純資産倍率

PBR(株価純資産倍率)=時価総額÷純資産
PBR(株価純資産倍率)=株価÷一株当たり純資産(BPS)

PBRは、企業の純資産から見た株価やM&Aの算定価格が割高なのか割安なのかをはかるものさし、いわゆる投資指標として使われます。PBRが1倍であれば解散価値と株価が同じ水準ということになります。低いほうが割安です。


ROE:自己資本利益率

ROE(%) = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
ROE = 当期純利益 / 売上高 × 売上高 / 総資産 × 総資産 / 自己資本

自己資本からどれだけ利益が出たのか、自己資本に限定した経営効率の程度が分かります。

ROA:総資産利益率

総資産を使ってどれだけの利益を生み出したかを示した指標です。

ROA:総資産を使ってどれだけの利益を生み出したかを示した指標
ROE:株主から集めた自己資本をもとにどれだけ儲けたかを示した指標

ということになります。
ROAは、自己資本だけでなく金融機関から借り入れた負債(他人資本)も含めた調達金額(総資産)をどの程度効率的に運用できたかを示す指標なので、株主目線ではなく「会社全体としての」投資効率を示す指標であると言えます。

財務指標として活用されるROE・ROAは、一般的に値が高いほど企業の評価も高いことになります。
逆に考えれば、ROEやROAの評価が低いと企業が十分に収益を上げていないと考えられ、企業価値の低下が予想されるということです。

EPS:1株当たりの当期純利益
EPS=当期純利益 ÷ 発行済株式総数
EPSは値が大きければ大きいほど企業の収益は高いことを示します。EPSを見ることで、当期の状況を把握することができます。また、その推移を見ることで会社の収益が好調であったかがわかり、今後の企業の成長見込みを判断する一つの材料になります。

皆さんおっしゃるように、投資は自己責任です。取り上げた銘柄も推奨するものではありません。
興味を持たれた方は、あらためて最新のデータをご自分で調査願います。
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