60年ぶりの再編

実に60年ぶりの市場再編ということだそうで、歴史を感じます。

日本取引所グループCEOの清田氏の「その目的、新基準、経過措置、今後の展望」についての動画を拝見しました。投資家見習いとしてはいいことばかりのような気がしますが、辛口のコメントをされている業界筋の方もいるようです。

バブル崩壊後低迷している日本市場ですが、今回の再編を海外の投資家はどう見ているのでしょうか。

東証1部の約8割の会社はプライムに移行できるみたいですが、プライムの基準は1部よりも厳しくなったため、296社は基準未達ということらしいです。経過措置があるとはいうものの、時価総額20億くらいの企業にとっては基準を満たすのは苦しいと思います。

何かが急激に変わることはないのかもしれませんが、時価総額100億円未満の銘柄については株価が下がりやすい状態が当面継続するというのが専門家の予想です。現在の投資先を今一度分析しておく必要があるような気がします。

バブル期は世界1位だった日本市場

1989年の年末には時価総額611兆円となり、一時は世界最大のマーケットになったこともあるそうです。ところが、バブル崩壊後は低下の一途をたどり現在では世界5位に転落しています。

バブル期でも海外投資家の日本株保有は4%しかなかったというのは意外です。これだけ低迷している現在が30%超というのも意外ですね。

バブル期の時価総額が異常だったという清田CEOのお話からすると、現在の時価総額が正常で海外投資家の投資対象になりつつあるということなのでしょうか。

2021年の1位はもちろんニューヨーク市場で27兆6869億ドル、東京市場は5位で6兆5443億ドル、バブル期がいかに異常だったかがわかります。一方で、米国市場は恐ろしくもあり、魅力的でもあります。

再編後の新基準

東証再編


市場区分は「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」の3つに再編されました。

旧市場区分において一部に上場している株式全銘柄により構成されていたTOPIX(東証株価指数)等の株価指数も見直しされました。

再編に伴い上場基準も変更され、プライム市場は株主数800人以上、流通株式時価総額100億円以上、スタンダード市場は同400人以上、10億円以上、グロース市場は同150人以上、5億円以上とされています。

上場各社は各市場区分の新規上場基準の水準を維持することが求められます。

基準未達企業の経過期間は何年以内という制限は設けられていませんが、ほとんどの企業が計画書では1~4年以内、一部10年という企業もあるそうです。


再編の目的

現在の市場区分は非常にわかりにくいというのが清田CEOのお話です。

1部上場企業にも、時価総額40兆円というトヨタ自動車もあれば、1部上場ギリギリの10億円という企業もあります。投資家から見て利便性の高い市場区分に作り変えるというのが目的のようです。

常に企業価値の向上や成長を目指す経営が根付けば、企業価値の底上げが期待できるとのことです。これからが正常化した日本市場の再スタートだということですが、企業にも投資家にも試練が課されることになります。

海外投資家はどう見るのか

海外投資家の顧客を抱える専門家によれば、プライムの基準とされる100億円という単位自体が小さすぎるとのこと、また経過期間なるもののスピード感のなさがマイナスとなり海外投資家を呼び込むことは難しいようです。

スピード感のなさは日本の文化にさえなりつつあります。政府の動きもそうですが、日本という国全体が海外から見れば鈍化しているように映るのでしょう。

今後への期待

2022-04-04 日経平均


再編初日は期待感の現れでしょうか、年末までに日経平均3万円、10年以内に5万円という清田CEOの目標がありました。

両学長の「金の卵を産む鶏」が増えることを期待します。

特定口座の米国ETF、国内個別株を5年くらいで高配当株に移行を考えています。

遅ればせながらの出口戦略です。

今年度買い入れた高配当株の再分析を順次していこうと思います。


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